Better Life Artistのpodcastは「あなたのゴキゲンが世界をサスティナブルにする」をテーマにさまざまな分野のゲストにお招きし、あなたの生活がより健やかになるノウハウをお届けする番組です。この記事は、エピソード25をわかりやすくまとめました。
ココ
日本生まれ日本育ちの31歳。オーストラリアやイギリスに滞在後、スウェーデンの大学院へ。東京で3年勤務したのち、本社のストックホルムオフィスへ転勤。サステナブルライフに興味を持ち始めて、YouTubeやInstagramで北欧から発信。現在北欧デザインの会社でマーケティングを担当。第一子を授かり現在育休中。
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コーヒーの市場規模は石油に続き第2位!
今井みさこ(以下・み):「このテーマにした理由は、コーヒー消費量世界一と呼ばれるスウェーデンのコーヒー文化とサステナブルコーヒーについて一緒に考えたいと思ったの。
コーヒーの市場規模はとっても大きい。世界60カ国以上、アフリカや中南米などの熱帯雨林で生産されているコーヒー豆。 その総取引額は年間800億ドルと石油に次ぐ市場規模で、途上国にとっては重要な産業となっています。コーヒーを飲む人たちがサステナブルな選択をできるようになることは、社会的インパクトがとても大きいことです。
コーヒーを生産するアフリカや中南米などの生産地域の自然環境の保護や再生、減農薬/無農薬栽培の推進、生産者の収入の安定化などサステナブルな社会になっていくために、コーヒーはさまざまな課題につながっています。つまり、コーヒーを好きなわたしたちがサステナブルなものを選ぶとことが大切なんです。コーヒーを購入するわたしたちのちょっとした変化の積み重ねが、すべての人の持続性に繋がっていきます。ココちゃんは、コーヒー好き?」
ココ(以下・コ):「コーヒー大好き!スウェーデンでは、”Fika”という言葉があって、意味は「お茶する時間」。この”Fika”はスウェーデンの人にとってとても大切な時間です。会社で週に一回はしっかり座って”Fika”します。これはコミュニケーションの時間として、会社の人間関係を円滑に進めるためにも役立っています。スウェーデンの人は1日3杯〜6杯のコーヒーを飲みます。私はコーヒーがないと一日がスタートしない!って感じてしまうほど、コーヒー大好きです。みさこちゃんのInstagramを見て、サステナブルコーヒーについて投稿していたよね。その内容、とても勉強になったよ。サンフランシスコのコーヒー事情についても教えてほしいな!」
(FIKA:スウェーデンのカフェで出会える美味しいカフェとケーキ)
み:「アメリカでは1日4億杯飲まれているよ!それってすごい量だよね。サンフランシスコはブルーボトルコーヒーなどサードウェーブコーヒーと呼ばれる、コーヒーブームの発祥の地。わたしが住んでいるサンフランシスコの近くのオークランドが全米にコーヒー豆がまず入ってくる取引所になっていて、さまざまなコーヒー豆を選べる環境です。
わたしの旦那がコーヒーが大好きで、コーヒー生豆を買って、家で焙煎をするくらいこだわりがあるの。旦那からコーヒーの味は、コーヒー農園の製造手法、豆の種類、焙煎の温度などによって変化することを教えもらい、よりコーヒーを楽しく飲めるようになったんだ。」
*自家製焙煎の様子
コ:「そのこだわりはすごいね!」
み:「サステナブルコーヒーに興味をもったきっかけは、世界トップクラスのサステナブル博物館 calfornia academy of cilence でサステナブルコーヒーについての学ぶコーナーがあって、サステナブルコーヒーのマークを勉強したこと。さらに、わたしが学んだエラスムス・ロッテルダム大学のSDGsに関する大学の授業で、SDGsの項目2「飢餓をゼロに」についての講義の中でコーヒーについての話が出てきた。
そして、日本はコーヒーの歴史語る中でも欠かせない国なんです。アイスコーヒーをつくったのは日本だとされているの知ってた? 日本のコーヒーといえば、名前が上がるのが田口護さん。その方が書かれた書籍「田口護のスペシャリティコーヒー大全知識編」の中でサステナブルコーヒーについて詳しく書いてあってすごく勉強になったよ。
そんなこんなで、コーヒー愛が増して先日はコーヒー農園に行ってきたの!
わたしが伺ったのはハワイ島でコナコーヒーを生産している村松小農園。直接農家さんとサステナブルコーヒーについてお話できたのは、すごくいい経験だったな。ココちゃんは、コーヒーはどのように選んでいるの?」
*ハワイ島にある村松小農園のコーヒー畑
サステナブルコーヒーを選ぶために、まずは認証マークを知ろう!
コ:「わたしは、サステナブル認証マークを気にして購入しているよ!
Fairtrade
開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することで、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」のこと。
Krav
スウェーデンのラベルで、人工化学農薬を使用せずに製造された有機食品が付けられるマーク。環境と安全に配慮して、それからアニマルウェルフェアも項目に入っている。コーヒー以外にも食品全般で目にするマーク。
EU organic
緑の葉っぱのマークなんだけど、EUでオーガニック食材食品と言ったらこのマークがついているよ。
CO2 Compensated
再生可能エネルギーで工場は賄われていて焙煎したり、化石燃料フリーの車(バイオエナジー)で配送したりしてるんだって。
(参照リンク)
Rainforest alliance
Rainforest Alliance Certifiedコーヒーは、人・土地・水・野生動物を守る環境基準に沿って作られたコーヒー
み:「わたしはコーヒーの生豆を購入する際に意識しているサステナブル認証マークは、
Bird−friendly
Bird−friendlyコーヒーは11種類以上の森林の日陰で栽培されたコーヒーです。スミソニアン博物館の科学者により提案された自然に近い農法で、最もサステナブルなコーヒーです。
Rainforest Alliance Certified
Rainforest Alliance Certifiedコーヒーは、人・土地・水・野生動物を守る環境基準に沿って作られたコーヒーです。
Coffee labeled USDA organicラベル
殺虫剤や肥料をなるべく使わず育てられたことを証明しています。」
コ:「11種類以上の森林の日陰で栽培ってどういうこと…!?」
み:「元来コーヒーの木は熱帯雨林の生態系で重要な役割をになっているの。コーヒーの木は通常日陰で成長し、その木の実を食べる虫や虫を餌にする鳥たちの生態系が成り立っていいるんだ。しかし、コーヒーの需要が増え、効率よくコーヒー豆を収穫できる太陽下で育てる農法が盛んになった結果、日陰となる雨林が採伐され、熱帯雨林に住んでいた鳥たちが激減しています。この状況はサステナブル(持続可能)な状態ではないよね。一度壊れてしまった生態系をもとに戻すことは困難です。これ以上、被害を広げないためにもサステナブルなコーヒーの選び方を学ぶ必要があります。わたしたち消費者が知識をつけて、フェアトレードやサステナブルな取り組みをしている農家さんにきちんとした安定した対価を払うことが大切です。」
コ:「なるほどね!」
み:「もう一つの課題は、エラスムス・ロッテルダム大学 SDGs項目2の「飢餓を減らそう」という視点から学んだことです。コーヒーの市場規模は年間800億ドルと石油に次ぐ市場規模で、途上国にとっては重要な産業となっています。コーヒーの値段の安定化が、途上国の経済発展によい影響があると考えられていますが、これまではコーヒーの値段が安定せずに多くの農家さんを苦しめてきたの。
例えば、2000年から2004年にかけて、コーヒーの価格は1ポンドあたり1.20米ドルから0.45米ドル程度まで下落しました。この価格下落は、コーヒー生産に依存している世界の約2,500万世帯に影響を与えました。彼らは深刻な収入減に悩まされたんだって。
このように収入が変動すると、財政計画が非常に難しくなり、その結果、インフラ、医療、教育への投資が損なわれますよね。一次産品価格の上昇は、農家や農業国が、長期的な計画や食糧生産に不可欠な環境への配慮を無視して、現在の大量消費に集中し、単純な搾取を行う誘惑に駆られ、悲惨な結果を招くこともあります。
もう一つは、水の課題です。コーヒーを生産する過程で大量の水が必要になるため、汚染水を減らす製法の各国で開発されています。」
コ:「わたしは今日、ニューヨーク・タイムズのPodcastでコーヒーについてを取り扱っているエピソードを聞いたの。その中で熱帯雨林とコーヒーについて話していたよ。」
み:「コーヒーの市場規模が大きいということは、コーヒー生産や製造などに関わる人が多いということだよね。しかも、コーヒーの生産は途上国の貧しい地域がメインになっているよね。わたしたちコーヒー好きな人たちがサステナブルコーヒーを選ぶことで、コーヒー農家さんが安心して長期的にコーヒーを作れる環境になる。そして、おいしいコーヒーを安定してつくれるようになる。これは、わたしたちコーヒー好きにとってもいい連鎖だよね。そう思うとサステナブルコーヒーを選ぼうって思えるよね!
おいしいコーヒーとサステナブルコーヒーを両立させるために。
最後に、わたしから農園でサステナブルコーヒーについて話した経験をお伝えしたいな。
わたしが訪れた村松小農園は、プレミアムコーヒーと呼ばれる希少性が高いコナコーヒーを生産しているコーヒー農園。ハワイ島はアメリカで唯一コーヒーが栽培されている場所なんだよ。村松小農園で淹れていただいたコーヒーはスッキリとした味わいとチョコレートのような甘味があっておいしかったよ。
そこでサステナブルなコーヒーについてお話して、感じたことは、農家さんって「おいしいものを届けたい」という気持ちでコーヒー生産してくれているということ。
「おいしいコーヒー」と「サステナブルコーヒー」のバランスが難しいなということも知れました。
わたしたちは、大量生産されたコーヒーの味を飲み慣れているという背景から、環境に優しいオーガニックでつくられたコーヒーの味を物足りなく感じる人もいるんだって。
そして、オーガニック認証マークを取得するためには、時間もお金もかかるのでスモールビジネスの会社にとって大きな出費です。
おいしいくて環境のことも配慮してサステナブルなオーガニックで作りたいという気持ちを直接お伺いして、飲んだコーヒーの味は一味違いました。心も温まった感じがしたな。
わたしたちは、サステナブル認証マークを見て選んだり、農家さんや生産者と直接話すきっかけがあればその機会を大切にして選ぶという姿勢が大切。意識を高め、模範となり、他の人に行動を促す。ことがサステナブルな社会になっていく第一歩だよね。」
コ:「本当にそうだよね」
み:「ココちゃんは、サステナブルなコーヒーグッズでおすすめはある?」
コ:「わたしは布フィルターとオーツミルクがおすすめです。前にYouTubeにモーニングルーティン動画を出したんだけど、私は布フィルターを使っているよ。すぐ乾くし、紙のフィルターを捨てなくていいのが気持ちいい!乾かしたコーヒーかすは消臭剤としてゴミ箱の引き出しに入れてるよ。あとは牛乳じゃなくてオートミルクを飲んでいるよ。畜産系の商品、例えば牛肉や乳牛が、温室効果ガスを作り出す原因の一つとも言われているのを気にしています。なので、植物性のミルクを選ぶようにしています。スウェーデンのオートミルクブランドoatly がお気に入りで、すっごくおいしいの!」
み:「わたしもoatly 大好き!味もおいしいし、プラントベース(植物由来)食品でエコにもつながるしいいよね。あとはわたしは有田焼のコーヒーフィルターを使うことがあるよ。あとは紙のフィルターをコンポストにしているよ。有田焼のコーヒーフィルターと紙フィルターで味が変わるので、そういった味の変化も楽しみながら自分にあったフィルターを探してみるのもいいよね」
有田焼のコーヒーフィルターと今井みさこの地元茨城県のコーヒーショップのコーヒー
コ:「そうだね!」
*有田焼のコーヒーフィルターと今井みさこの地元茨城県のコーヒーショップのコーヒー
コ:「そうだね!」
み:「今回は、コーヒーのサステナブルな選び方やグッズなどを紹介してきました。コーヒーをサステナブルなものを選ぶことは、社会に大きな影響があることを知ってもらえたと思います。コーヒー好きなあなたからサステナブルを意識して、実践して、実践したこと楽しく・ゴキゲンに共有できたらいいなと思っています!」
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