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執筆者の写真まこ

#サステナの目線vol.05【ネスレ日本】日本上陸110年のグローバル企業、社会課題への思い

更新日:7月21日

ネスレ日本が進めるサステナビリティ


企業のサステナブルな取り組みを紹介する本連載「#サステナの目線」のvol.05は、【ネスレ日本】です。「ネスカフェ」や「キットカット」で親しみのある数々のブランドを展開するネスレ日本さんが取り組むサステナビリティについてご紹介します。vol.05では「ネスレ日本のサステナビリティ」、vol.06では「アップサイクルの取り組み」、vol.08では「教育機関向けの無償プログラム」についてご紹介します。


今回は、ネスレ日本株式会社 マーケティング&コミュニケーション本部 コーポレートアフェアーズ統括部 サステナビリティ&ステークホルダーリレーションズ室の山口恵佑さんにご登場いただき、ネスレ日本さんの取り組むサステナブルな取り組みについてお話を伺いました。


木村真悠子(以下:木村)「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。ネスレさんはスイスに本社があり、創業当時、乳幼児の栄養不足を解決すべき、乳児用乳製品を作ったことが会社のはじまりとお聞きしました。社会課題がスタートだという点が、現在、ネスレさんの掲げるパーパスに通じていると感じています。まずは、ネスレ日本さんについてご説明いただけますでしょうか。」




日本上陸110年を迎えたグローバルカンパニー

山口恵佑(以下:山口)「ありがとうございます。ご説明いただいたように、ネスレはスイスに本社があります。ネスレ日本は1913年に日本で創業し、2023年で110周年を迎えた歴史ある会社です。ネスレが掲げるパーパスは、「食の持つ力で、現在そしてこれからの世代のすべての人々の生活の質を高めていきます」。地球環境という資源をいかに大切に使って、未来の世代にもきちんと残していくというメッセージが込められています。」


木村「素晴らしいですね。ゴキゲンらぼも、私たちもさらに次の世代の子どもたちにも、よりより環境を残していきたいという想いを掲げています。ネスレ日本さんの製品は日常で手にとる機会も多いですが、110年続く企業であること、素晴らしいパーパスを掲げていることを知り、感動しています。パーパスについて具体的に説明いただけますか。」


山口「存在意義(パーパス)には3つの分野があります。1つは「家族とペットのために」。栄養のある食べ物や飲み物の選択肢を提供することです。2つめは「人とコミュニティのために」。我々食品飲料メーカーですので一次生産者の方々、サプライヤーの皆様や農家の皆様の生活が成り立ってはじめて私たちのビジネスも健康に経営することができますので、コミュニティ全体が健全な状態であることを目指します。最後に3つめは、「人と地球のために」です。人類によるテクノロジーはすさまじく発展していますが、例えば今着ている服や、座っている椅子を食べ物にすることは、まだ我々人類が可能にしていないわけです。そう考えると、私たち人間は、全て土からできたもの、 あるいはそのできたものを食べた動物から栄養をもらって生かされているんです。だからこそ、人と地球の環境を守っていくことが存在意義だと捉えています。」


木村「そうですよね、人と環境をさらに広く捉えると、フードロスやゴミ問題にもつながると思っています。まずは、人間が生き物をいただいているという点をより理解すべきですね。そして、消費者は、無駄に買わないことも大事だと思います。すべての資源は無限ではないですからね」


山口「そうですね」


木村「続いて、サステナビリティという文脈で取り組まれていることをお聞かせいただけますか。」


持続可能な社会を目指して

山口「日本で取り組んでいるサステナビリティについて紹介させてください。まずは、ネスレの主力製品に使われているコーヒー豆は、レインフォレスト・アライアンス認証のような第三者機関がきちんと現地に行き、土壌環境はもちろん、農家の皆さんの経済的なところも含めて、すべてトレイサビリティが取れたコーヒー豆を日本に輸入しています。また、我々の製品の『ネスカフェ ゴールドブレンド』や『ネスカフェ エクセラ』といったような『ネスカフェ』の製品を作る工場は現在日本に3ヶ所あります。その工場では、昨年の2023年より購入電力を100%再生可能エネルギーに切り替えて稼働しております。物流においては、トラックドライバーの「2024年問題」と呼ばれる社会課題への対策やCO2排出量削減のために、JR貨物さんと共同で鉄道輸送の強化をしています。中距離、長距離ともにトラックだけに依存しないよう取り組んでおります。」



木村「さまざまな角度から環境問題へアプローチされているのですね。プラスチックに関してはどうでしょうか」


山口「我々ネスレのコミットメントとしては、やっぱりプラスチック問題は非常に大きいと思います。 プラスチックは悪者に思われがちですが、我々食品業界全体では、軽くて匂いを移さない点や、製品を長期保存ができるなど、プラスチックの恩恵を受けてきたことが現実にあります。一方で、プラスチックが海に流れ込んでいる問題も深刻ですので、食品企業として取り組まないといけない大きな問題です。 現在、ネスレでは、再生プラスチックではない新規のプラスチックの使用量を2025年までに3分の1削減。さらに他のプラスチックに関してもその95パーセント以上をリサイクル可能な設計にするという目標を2025年までに掲げております。これらの進捗の過程もすべてホームページ上で公開し、透明性を持って取り組んでおります」


木村「『キットカット』のパッケージがプラスチックから紙になったことは、消費者目線ですが、とてもインパクトがありました」


山口「『キットカット』大袋タイプ製品の外袋を紙パッケージに変更したのは、バージンプラスチックを削減することにつながります。また、『ネスカフェ ゴールドブレンド』に関しては、2008年から瓶以外に詰め替える容器として「エコ&システムパック」というものを製造販売しています。年々改良を重ねて現在の紙のパッケージに辿り着きました。さらに、パッケージを紙に変えて終わりではなく、使い終わった紙パッケージを回収してアップサイクルを進める取り組み「TSUMUGI(ツムギ)」というプロジェクトも一般社団法人アップサイクルと共にはじめております。「TSUMUGI(ツムギ)」については、担当の瀧井より詳しく聞いてくださいね」


木村「ありがとうございます。さまざまな分野でサステナブルな活動をされていることがとてもわかりました。山口さんにはvol.07の記事「ネスレ サステナビリティ プログラム」についてお話いただきます!」


 

文:木村真悠子

写真:Mai Shinya

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