環境問題への”揺り戻し”
- まこ
- 12 分前
- 読了時間: 4分

欧米を中心とした「揺り戻し」の動きは環境問題にも影響し、ニュースやSNSなどでも見聞きする機会が増えました。そうした動向を生活者がどのように受け止めているのか。生活者意識をまとめた発表会にお邪魔しました。ゴキゲンらぼ目線で、気になるトピックをピックアップしてお届けします!
「環境問題への”揺り戻し”」について、どの程度知っていましたか?という質問の回答は、半数近くの人が認識していると回答。中でも、トランプ大統領によるパリ協定再離脱に関しては、7割以上が知っていると答えています。また、揺り戻しに賛成の声が懸念の声を上回っていることが明らかになりました。その背景には 「環境問題解決のための当初の方針や取り組みを、そもそも知らない」ことが大きいようです。
また、以下に挙げたような揺り戻しの方針を認識していたのは全体の3割程度でした。
・「米国気候同盟(United States Climate Alliance)が、 パリ協定目標の達成および取り組み継続を宣言した」
・「アメリカの石油・ガス業界の業界団体である米国石油協会(API)が、パリ協定の目標を長期的に支持する旨を表明した」
・「国連の生物多様性条約第16回締約国会議(CBD COP16)が 2024年11月に閉幕し、世界の生物多様性保全の国際目標の 達成度を評価する具体的な指標がおおむね合意された」
気候変動や生物多様性への理解度

気候変動や生物多様性は 理解度は低く、遠いテーマのような結果でした。
生物の多様性の減少 32.5%
気候変動 54.7%
地球温暖化 69.5%
中でも、挙げられた6つの事象や原因に関しては、まだまだ知られていないことを実感する数字でした。
「生物多様性は減少している」24.2%
「絶滅危惧種に指定される生き物は年々増加している」31.5%
「生物多様性の減少の一因に、森林伐採や埋め立てなどによる 生息地の消失がある」36.2%
「絶滅危惧種の増加の一因に、地球温暖化がある」36.4%
「地球温暖化の一因に化石燃料の燃焼がある」36.8%
「気候変動により、地球環境に急激な変化がもたらされることが、 生態系を脅かす原因になる」40.6%
環境問題への関心度

環境問題への関心について調査した結果は下記になります。
地球温暖化 73.8%
気候変動 71.4%
エネルギー問題65.1%
海洋汚染62.0%
オゾン層の破壊58.0%
酸性雨50.0%
近年、日本をはじめ世界各地で起こる森林火災や豪雨、豪雪。今までにない範囲やレベルで被害が広がり、避難を余儀なくされる災害が発生しています。日本の山間部でも山火事が相次いで起こるなど、気候変動が影響していると言えますね。
また、環境問題への意識はあるが 具体的なアクションがわからないと回答した方が全体の63.8%だったそうです。また環境問題に意識はあっても、具体的なアクションに自信が持てないという回答も。
「環境保全に貢献したいが 具体的に何をすればいいかわからない」
「環境にとっていい行動と言われているものでも 本当にそうなのか確証がなく、疑ってしまう」
「行動はしているが、実際に自分の行動が環境保全に繋がっている実感がない」
アクションに自信が持てないという回答の背景には、グリーンウォッシュへの疑いの目もあるようです。
また、生活者の経済的要因、利便性の問題、心理的負担も影響していると感じました。
「物価高騰によってエコ商品を買う余裕がなくなる」
「使い捨てプラスチック規制が不便と感じる」
「自分1人がやっても変わらない」などが挙げられると思いました。
その反面、環境にいいアクションは歓迎されているコメントもありました。
「無理せず取り入れられる 環境に良いアクションがあれば知りたい」
「所属している組織やコミュニティで 環境に配慮した取り組みやプログラムがあると嬉しい」
「環境に配慮した行動をとっている人が身近にいると自分もモチベーションがあがる」
環境問題に関して具体的な内容や取り組みも知られていないものが多いという印象を受けました。
今、わたしたちができることから

ゴキゲンらぼがシェアしている#サステナ部では、誰でも実績できるサステナブルなアクションを紹介しています。揺り戻しにより、様々な受け止め方がある中ですが、#サステナ部を通して、それぞれの立場で、今できることを改めて考えるきっかけになってくれたら嬉しいです。
※データ出典元:マーケティング会社 QO株式会社
調査概要
調査対象者:全国の男女20-69歳
回答者数 :3,000人
割付方法 :令和2年国勢調査の性年代の構成比に基づいて割付し、世の中の縮図を再現
調査方法 :インターネットリサーチ
調査期間 :2025年2月17日(月)〜18日(火)
調査企画 :QO株式会社
調査委託先:株式会社マクロミル
調査内容 :地球温暖化、気候変動、生物多様性といった環境問題の浸透状況
環境問題の“揺り戻し”への評価
企業・団体および政府の取り組みへの評価
文:木村真悠子
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