今回は成瀬心美さんをゲストに迎え、「ベターライフ」を過ごすために意識していることや考え方をシェアしていきます。
プロフィール
元AV女優の成瀬心美。「ここみん」の愛称で、現役時代は『スカパー！アダルト放送大賞』2012年度の女優賞を得るなど人気を博した。SNSの総フォロワー数は約50万人。現在はタレント活動のほか、バンド「mezcolanza（メスコランサ）」でボーカルも務めている。取材・文・編集・デザイン：今井みさこ
30代になってもっと人生楽しめるようになった
今井みさこ：「メスコランサ」サブスク解禁おめでとう！アメリカでも聞けるようになって嬉しい。このバンド活動も含めて、ここみんの夢の叶え方について聞きたいな。まず、バンド活動はどういう経緯ではじまったの？
成瀬心美：もともと小学生のころから歌って踊ってみたいなのが好きだったの。ハロプロに入りたいとかね！
今井みさこ：音楽専門学校に行きたかったんだよね？
成瀬心美：そう、18歳のときに音楽専門学校に行きたかったけど、行けないことになって。完全に音楽活動の夢はなくなってて。AV女優になって、遠回りしちゃったから絶対音楽活動はできないって思ってた。
今井みさこ：遠回りだと思ってたんだ。
成瀬心美：思ってた。もう叶わない夢リストに入ってた。バンドが。一生叶うわけないでしょって。でもね、自分がしたいこととかやりたいことを口に出すと、誰かが気づいてくれるの。「メスコランサ」もそうで。数年前、今ではメスコランサのメンバーのハジメタルさんとカトウタロウさんがやっている「メタリックセックス」というトークライブイベントに呼んでもらったのね。そこでわたしが歌が好きということを知った途端、その場で一緒にセッションしようとなって。セッションしたら、声を褒めてもらえたの。それまでそんな風に言ってもらえたことってなくって嬉しかったし、セッションもすごく楽しかったの。そのとき初めて「本当はバンドをやりたかったんです」と自分の想いを口にしみたら、一回バンドでライブやろうってなって。
今井みさこ：すごい展開！
成瀬心美：その後『メタリックセックス特別編～ここみんバンドが打ち上がるってよ～』を開催して。そしたらわたしがバンドをやったということでおもしろがってもらって、フェスに呼んでもらったの。
今井みさこ：メスコランサの結成はそのとき？
成瀬心美：ここみんバンドで何回か活動したときに、わたしのなかでは「このままバンドとしてやれたらいいな」と思ってたんだけど、「AV女優とバンド組んだって迷惑だろうな」と悲観的になってしまって口にできなかった。そしたらバンドメンバーに一回話しましょうって呼ばれて「ここみん以外のメンバーはバンドとしてやっていきたいと思ってます」と言ってもらって。「嘘だろ！！」と思いながらも「お願いします」ってところから始まったんだ。ここみんバンドっていう名前がここみんと愉快な仲間たちみたいだし、その名前が重荷だったから名前を変えたいって言って、メンバーみんなで決めて「メスコランサ」になった。本当にありがたいことですよ。
今井みさこ：遠回りだと思ってたし、叶わない夢リストに入っていたけど…
成瀬心美：わたしが心の中で思っているだけでは、叶わなくって。わたしがバンドをやりたいって言ったから。周りの人が知り合いのドラム紹介しますとかイベンターの人がここのライブハウスでやってみますかとか新曲つくりましょうとか…。絶対自分じゃなにもわかんないしなにもできないんだけど、自分が口に出すことで他の人が叶えてくれるなって思ったの。もちろん自分の努力とか必要だし、何もしなくていいっていうわけじゃないけど。口に出すことでちっさい夢も誰かが夢を叶えてくれる。わたしがしたいことがみんながしたいことに変わっていった。
今井みさこ：それっていいことだね。
成瀬心美：『スカパー！アダルト放送大賞』のときも賞を取りたいって口にしたから、マネージャーが推薦してくれたりして、叶っていった。だから口に出すってとっても大切なことだなと思ったの。
今井みさこ：大事だね。
成瀬心美：本当にそう思った。
今井みさこ：その叶えたいことを見つけるのも大切なことだよね。
成瀬心美：そうだね。それと”遅い”とか”今更”っていうことはないと思っていて。”遅い”とか”今更”って誰が決めるの？挑戦することとか学ぶことって、遅いとか今更とかないと思って。ここ最近、いろんなことを考えて資格の勉強をはじめて。自分がオトナになって今後何していきたいかなと思ったときに、運転免許以外の資格を何ももっていないことがコンプレックスで。学生時代もバイトに明け暮れていたから、学ぶっていうことを本当にしたことはなくて。何か手に職をつけたり、何か興味をもったことで資格をとってみたいなとか思い始めて。英語を覚えたいなと思ってはじめたりしてる！20歳のときは今更何をすればいいんだろうって思ってたの。自分の中で今更って思う気持ちが大きかった。でも今更とか自分のものさしだなと気づいてから、少しづつ勉強し始めてる。夢を叶えることに関しても同じ。
今井みさこ：30代になってから考え方が変わった…？
成瀬心美：そう、ガラって変わった！
今井みさこ：それはわたしも共感するな。わたしもアメリカきて大学に行き直してさ、周りは18歳とか19歳だけど、わたしは27歳で。日本だと珍しいかもしれないけど、そういうのも自分のタイミングだから、やりたいと思ったときにやり始めていいよね！
成瀬心美：ほんとそう。30代になって今後について考えるようになった。それまでは30代はこういうお家に住んでとか理想を追いかけてた。けど30歳を過ぎて自分が思い描いてたものとは現実がかけ離れているから、もっとじっくり人生設計を考え直すようになった。。そうするとこれがしたいとか、やりたいことがどんどんでてきた。そしてちゃんと行動うつしている今がとても楽しい！
今井みさこ：悲観的なここみんから、ポジティブここみんになったんだね。
成瀬心美：素の自分は暗くても、ここみんはキラキラしていればいいやと思ってた。
今井みさこ：そうなんだ。
成瀬心美：バイトのときも同じで、素の自分は根暗で人と話すの苦手だけど、バイト中は誰とでも話せる無双状態になれる。ここみんもそうだった。ここみんとして仕事しているときはいるときだけは、無限に明るくてポジティブなスイッチが入るんだよね。だけど、表立って言わないけど、本当は悲しいとか寂しいとかあったんだ。けど、今は素の自分から色んな感情を表現できるように、考え方とか生き方を変えたいんだ。
今井みさこ：素の自分とここみんとしての自分を区別しないってことかな？
成瀬心美：そう。変なスイッチとか切り替えを作らないようにしようとしてるんだ。そういう自分になるためにはどうすればいいかをすごく考えてる。こういうふうに考えるようになって、もっと人生楽しめるようになった！
今井みさこ：変わっていくことを受け入れて、口に出して行動して、っていうのがここみんの夢の叶え方かな。
成瀬心美：そうだね！あとは、最近は人と会って話すようにしてるの！今はこういう状況だけど。オトナになってから出会いがないとか、友だちが新しくできないとか言うけど、わたしは視野を広くもとうと思えるようになって、積極的に人に会うようにしてる。
今井みさこ：昔は絶対にしなかったよね！！
成瀬心美：絶対にしなかった（笑）すごく嫌だったの。すごい気を使っちゃうから、気心しれた好きな人とだけ居られればいいって思ってた。でもね、この自粛期間で一人で寂しいなって思ったときに、わたし友だち少ないなと思って。
今井みさこ：わたしもアメリカにいるしね。
成瀬心美：しかも友だちがみんなお母さんになってたりするんだよね。だから、今の時間連絡したら迷惑かな？とか思って…連絡できなくて…。今まではね、SNSがあればいいやって思ってたの。だけど、それだけだとさみしいんだよね。だから人と会って話すようになった。いろんな人に出会うといろんな考え方があるんだなって感じた。こういうときはこういう人に頼っていいんだって気づいたりして、いい方向に自分が変わっていることを実感しているよ！
今井みさこ：自粛期間はどうやって人と会うの？
成瀬心美：今Zoom飲みとかあるじゃない。それで気軽に友だちを紹介してもらったりしているよ。
今井みさこ：それはよいね！最後に読者の方にひとことお願いします。
成瀬心美：20代まで自分の考え方、自分のやり方でやってきたけど、30歳を過ぎて、いろいろな人との出会いや本、SNSを通じていろんな考え方に触れて、いろんな扉が開いて、考え方や生き方が変わっている最中なの。新しい自分に出会えてることに対してのワクワクがすごくて。30代、40代と自分がどうなっていくんだろうとすごく楽しみ。それって今の自分次第だから。今できることを遅いとか今更とか自分のものさしはなるべく作らないでチャレンジしていきます。
今井みさこ: 素敵なメッセージありがとうございます。
成瀬心美: 今のこの考えはみさみさのInstagramの発信とか見ていて感化された部分もたくさんあるよ。
今井みさこ：そういってもらえると嬉しい！
成瀬心美：みさみさはやりたいって口に出してから行動するまではが本当に速いと思うの。こうしてみたらっていうと次の日にはどう？ってレスポンスくるから対応の速さとかすごいなって思う。
今井みさこ：ここみんのアドバイスは本当にわたしのこと考えて言ってくれているのがわかるし、納得感あるから、そのまますぐ実践するようにしてる。いつも見ていてくれてありがとう。
成瀬心美：それがわたしの刺激になってる！
今井みさこ：お互いにいい影響があるっていいことだね。
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