APUで学んだ人たちが世界を変える
2023年4月 立命館アジア太平洋大学に
「サステイナビリティ観光学部」が開設されます!
シリコンバレーのイノベーションを牽引するスタンフォード大学で、70年ぶりに新しい学部が2022年秋に設立されるとニュースになっていましたね。スタンフォード大学は、グローバルな気候変動危機への対策を加速させることを目的する「スタンフォード・ドア・サステナビリティ・スクール(Stanford Doerr School of Sustainability)」という学部だそうです。どんなカリキュラムなのかとても気になりますよね。
いずれこの学部についてもシリコンバレー在住であるゴキゲンらぼ代表の今井みさこからレポートができたらと思っています!
さて、本題に。2022 年 9 月 12 日 、立命館アジア太平洋大学(以下略称・APU) の新学部「サステイナビリティ観光学部」開設の記者発表会へお邪魔してきました。APUの学長、副学長をはじめ、新学部長、新学部の教授陣も多く参加されていました。
APU は大分県別府市に本部を置く日本の私立大学です。今回開設される新学部「サステイナビリティ観光学部」は、「アジア太平洋学部」、「国際経営学部」に次ぐAPU3 番目の学部となり、開学以来初の新しい学部になるそうです。
APUには現在、世界94カ国の地域の学生が在籍。また、世界161カ国の地域に卒業生を輩出しています。さらに、グローバルフィールドで活躍する人材を2万人以上輩出した実績があります。
新学部「サステイナビリティ観光学部」は、地域の資源循環と価値創造から持続可能な社会を目指す、世界を変える人材を育成することをミッションに掲げています。さらに、日本唯一のサステイナビリティ観光学=”サステイナブル”と”ツーリズム”を学べる学部だと伺い、詳しいお話を聞きに行ってきました。
世界を変える人を育てる。APUならではの3つの独自性
学長である出口治明さんから
「これまでのAPUの教育方針である「混ぜる」という要素を拡大し「混ぜる×解を出す」を目指していくこと。「サステイナビリティ観光学部」は、サステイナブルであるものは観光であり、観光はサステイナブルである」というお話から記者発表会がスタートしました。
APU「3つの独自性」を解説!
①学ぶ領域:日本で唯一の「サステイナビリティ観光学」を学べる学部である
APUの「サステイナビリティ観光学部」は、日本初のサステイナビリティ観光学を学べる学部であり、世界的にも先進的な学びであるサステイナビリティと、21世紀最大の産業の一つとなる観光(ツーリズム)の両方の専門性を習得できます。
②学び方:理論と実績の両アプローチから学ぶ
社会課題解決という使命から生まれた学びを、理論と実践の両輪からアプローチし「環境、社会、経済、文化」を複合的に学ぶことができる、先進的でユニークな学部だと説明がありました。
理論と実践の両輪から主体的に学ぶという点では、環境学、資源マネジメント、国際開発、地域づくり、社会起業、データサイエンスと情報システム、観光学、ホスピタリティ産業、観光産業と、複合的に学べる9つの専門科目群を学ぶことができます。
持続可能な社会実現に必要な4つの要素「環境、社会、経済、文化」が網羅されていますよね。
さらに、産学官連携のリアルな社会課題解決型学修として、国内外のフィールドスタディ(実習地:イタリア、スペイン、スイス、フランス、東京、上海、ソウル、ストックホルム、バンクーバー)、専門インターンシップ(国連世界観光機関(UNWTO))、専門実習(JAL、ORIX)を提供。学んだ理論を実践を積んで体得することで、学問的実務家を育む機会を創出するそうです。(※実習、連携先は過去の実績の一部。今後さらに開拓予定)
③多様性と実践力に満ちた教授陣が在籍する
一般的なサステイナビリティ学とは、その多くが理工系学部にあり環境に主眼を置いたものが主流の中、APUの「サステイナビリティ観光学部」では、現象のメカニズムを理解した上で、文系アプローチで循環型地域社会を実現するための学びを提供する「環境、社会、経済、文化」の要素を習得することができるカリキュラムが設計されるそうです。
さらに、より大学を開かれた場所にすべく、世界12の国と地域から迎えた確かな専門性をもった25名の教授陣も紹介されました。サステイナビリティ学、観光学はもちろん、国際協力、まちづくり、ICT分野のスペシャリストや、世界的なトップ学術誌の編集者、経済協力開発機構(OECD)、また日本政府、自治体などでの政策提言経験者が名を連ねています。
教授:李 燕(リエン)
新学部長就任予定。中国出身。日本国内で博士号(工学)を取得後、立命館大学助手やコンサルタント会社研究員を経て、2000年の開学時より立命館アジア太平洋大学にて勤務。近年の主な研究実績には、東京大都市圏の空間構造の分析や都市の温室効果ガスインベントリーなどがあり、主要国際学術誌への論文掲載も多数。地元大分県や別府市の環境・都市計画・観光に関する専門委員も務める。
教授:ヴァファダーリ カゼ
イラン出身。立命館アジア太平洋大学アジア太平洋研究科博士課程修了、2011年よりAPUにて教鞭をとる。国連観光機関(UNWTO)QUESTプログラム・アドバイザリーボードや国連食糧農業機関(FAO)世界農業遺産 科学委員、駐日イラン大使館観光アドバイザー、大分県世界農業遺産アドバイザーなどの公職を務める。新学部では、専門科目の他に、世界農業遺産観光のフィールドワークやUNWTO本部、FAO本部での海外プログラムを担当予定。
副学長である米山裕さんから
「APUのこれまでの20年の歩みは、圧倒的な多文化協働学修環境の実現でした。2021年〜2030年の中長期計画「チャレンジ・デザイン」を策定し、APU2030ビジョン「APUで学んだ人たちが 世界を変える」の実現のため、取り組みを進めています。「サステイナビリティ観光学部」の開設は、APU第二の開学となり「持続可能な社会の実現に向けての人材育成」を掲げています。共に一つの目標やプロジェクトを実現するため、違いを乗り越え共存し、チームワークを育む。多様な学生が混ざり、学び、成長する場であり、世の中をよくしたいと能動的に世界と関わり、理想を現実する志ある若者のキャリアパスをサポートするフラッグシップ的存在を目指しています。」というお話しに、胸が熱くなりました。
大分県産の杉を使用し、
国内トップクラスの木造建築で
カーボンニュートラル社会実現を目指す
2023年4月の新学部開設と既存2学部の改革に伴って、より教育効果を高める新たな教学棟と国際教育寮APハウスを建設されます。
新たな教学棟の中央部分は木造建築となり、使用する木材のほぼ全てに大分県産のスギ材が利用されるそうです。
クリーンウッド法に準拠した合法的な木材と認められたもののみ、およそ400立法メートル以上使用して建築される教学棟は、 国内の木造建築でもトップクラスの規模となります。
またこれは国内大学では初となる、大規模3 階建ての準耐火建築物となります。木造建築採用によって、APUとしてCO2削減に貢献し、カーボンニュートラル社会の実現にむけた取り組みを推進するという素晴らしい取り組みに感動!
この教学棟は、2023年4月「サステイナビリティ観光学部」新設を機に、持続可能な社会を実現する様々な人材育成を強化していくAPUの理念の象徴となるそうです。教学棟そのものが、生きた教材となり、持続可能な社会実現に向けて、学生は授業や学生活動の中で木材利用の意義やメリッ ト、ソーシャルインパクトを学ぶことになる。大きな役割を果たす新学棟で学べる学生の皆さんがとても羨ましいです!
記者発表の中で新学部学部長就任予定の李 燕さんより、新学部開設には①地球規模の環境問題、②グローバリゼーションによる地域文化の消滅、③格差問題、持続可能ではない現在の社会・経済の仕組みという社会課題解決という3つの理由があると説明がありました。
世界共通の問題の解決を目指す「サステイナブル」という社会課題が若者たちの学びとなる。今の世界を考えながら、この先も学び続けることが必要な領域だと改めて感じ、新学部への期待も大きくなりました。
そして、今こそ年齢にとらわれることなく、人が学び直すタイミングなのかもしれないと強く感じます。
ゴキゲンらぼのメッセージにある
「心豊かに地球と子どもたちの未来を守る」
より多くの人に届きますように。
立命館アジア太平洋大学は、観光学の教育、研究をリードする教育機関を認証する制度であるTedQual認証の、日本では3校しかない認証取得校のうちの一つ。
TedQual認証について
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